亀も風邪を引く
我が家に、亀がいる。
飼い始めてもう、30年近くになるだろうか。
飼い始めた頃にニホンイシガメだと思い「イシくん」と名付けたのだけれど、後に実は「クサガメ」だった事を知り、今さら名前を「イシくん」から「クサくん」というわけにもいかず、飼っている生き物に名前を付ける事自体に人間の何か名前による位置付けの様なものがあるのだろうが、ともかく、そのイシくんを一週間ほど魚屋さんに預けたのだけれど、帰ってきてからというもの一切餌を口にせず、ずっと甲羅干しをしていて、以後二週間、餌を口に近付けても一向に口を開かなくなり、当然そんな症状は今までに一度もなく、クサガメの寿命はおおよそ20年~30年、寿命が近くなると、餌を食べなくなり、動きも鈍くなるとあったので、いよいよ寿命なのか 、、。
そうなると、イシくんと過ごした30年近くという時間をあれこれ回想したり、イシくんがいない生活をリアルに考えてみたりしたのだが、ネットでも色々と調べていたら、「亀も風邪を引く」というのがあって、風邪を引くとやはり食欲がなくなったり、体温調整のために日に当たる時間が長くなったりする様で、預けたのが5月でその期間中、最高気温が15度位という肌寒い日が2日間あって、風邪を引いた時の対処として30度のお湯に10分程度浸からせると良いらしく、早速試してみたら、たしかに動きは活発になった気がしたが、餌は食べず。
ベランダでの甲羅干し時間を長めにしたり、更にそんな日が4日5日続いたある朝、餌の入った袋を振ってみたら、その音に反応して、こちらに寄って来たので、おそるおそる餌をあげてみると、パクパク、いやバクバク、餌を食べ始め、与えても与えてもむしろたがが外れたように飼育ケースを噛みつく様になり、そうなると今度は婆さんメシはまだかの「亀も風邪を引く」「亀もボケる」が脳裏をよぎったが、寿命ではなかった様子で安堵にひたり、イシくんにはまだまだ生きてもらわねばど思う。
風邪だったのか、、解らない。