2021-01-01から1年間の記事一覧
いにしえに 椿見立てて 待ちぼうけ
私の思う足跡は後ろに尾を引きながら伸びてゆき、唯一今現在という確かな根拠を私は観ている様で、それではともう一度前を見据えて歩いていると、吹雪に遮られた視界の遠くの方に雨風をしのげそうなひとつの洞穴をみつけた。 洞穴の奥に繋がる道筋はなく、広…
ハレルヤー
プラトンのプロタゴラスの中に書かれてあるように、汝にとっての善と悪を考慮判断するときに、ずっと先に起こりうる様なものを思考する数学的な時間のものさしは必要だと考える。 一方で私と誰かを計る時間が不必要なものさしは不必要と考える。 終わりなき…
今日はまた植物の根が水中に一ミリ伸びた。 植物の名前は忘れてしまった。 卓上のチューリップの花は土偶の様な形にゆがみ枯れゆくよう。 「こんにちは」 「あちらから来たのですが、そちらがわの山道に花は咲いていましたか?」 「いえ、山道は枯れ枝ばかり…
一人の男児がこちらへ駆け寄って来る、パタパタと。 「わーキレイー!」 「ほれーたけしー鼻水ででっどれー」 「あかーしろー!」 「鼻水でっだー」 「ピンクー!」 「はなみずー」 「キレイー!」 「はーなーみーずー」 「おかあさーん、ウメのー」 「はー…
私の好きな小説家の人達の小説に向かうときの思考を読んでいると、だいたい同じ様な共通点がある。 だいたい話の筋道の事はあんまり考えてなくて、だいたい行き当たりばったりで、だいたい『音楽』を奏でるように言葉に向かうときに身体のリズムがあって、だ…
おてんば娘と、臆病息子。
昨夜の出来事はまるで覚えていないどころか、私が今何処にいるのかもわからない。 解るのは ただ、両足が少し、あるべき両足が少し無いという事と、乾燥した空気に漂うたたきつける放射の風、それにより虹色の塵達が輝き、またそれが、こんな私を少しばかり…